📚 あなたは会議で上役の提案に反対できますか?反対意見を言えますか? 9.23

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名言

「目を背けても、真実はなくならない」とは、

イギリスの作家、オルダス・ハクスリーの言葉だ。

 

 アメリカの著名な投資家、ウォーレン・バフエット もこう言っている。

「人間がもっとも得意とするの は、自分の見方が変わらないよう、新しい情報をフィ ルターにかけて取り除くことだ」。

 

確証のワナ

バフエットは「確証のワナ」の危険性を意識し、その落とし穴にハマら ないように注意したからこそ、大成功を収めているの ではないだろうか。

 

企業では特に、「確証のワナ」の嵐が荒れ狂う。

 

たとえぱ、取締役会で新たな経営戦略の導入を決定しようとしているときだ。会議出席者の前には、この戦略が成功する可能性が高いことを示す証拠ばかりが並んでいる。

失敗の兆候があったとしても、そのことにはまったく気づかない。うまくいかなかったとしても、それは「特殊なケース」や「予測不可能な事態」であ るとあっさり片づけられる。

 

こうして、「反対の証拠」は取締役の目には入らない。

では、どうしたらいいのだろうか?

 

「特殊なケー ス」という言葉が出てきたら、より注意深くなろう。

 

背後には「反対の証拠」が隠れていることがよくあるからだ。

それには、チャールズ・ダーウィンが用いていた方法を頼りにするといいだろう。

ダーウィンは、少年時代から「確証のワナ」を克服 しようと努カしていた。

 

観察記録

記録が自分の推測と矛盾する場合には特に気をつけた。

常にメモ帳を持ち歩き、自分の意見に反する観察対象を見つけたら、

ただ ちにそれをメモした。

 

ダーウィンは、人間の脳は、反対の証拠を見ても、30分後には「忘れてしまう」こと を知っていたのだ。

 

だから彼は、自分の考えが正しい と思えぱ思うほど、積極的にその考えと矛盾する情報 を探したのである。

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🧠

自制心

自分の考えを疑うためには、どれほどの自制心が必要だろうか?

 

次の実験結果がそれを示している。

 

ある教授が「2、4、6」と数字を書いた紙を学生の前へ置く。

 

📄

 

2 4    6  .....?

 

被験者の学生たちは、それに続く数を予想することで、数がどのようなルールで並んでいるか を当てなけれぱならない。

 

そのルールは紙の裏に書いてある。 学生がルールに当てはまる数字を挙げた場合には、 教授が「ルールと一致」と答える。

当てはまらない数 字を挙げた場合には「ルールと不一致」と答えること になっていた。

 

被験者は、好きなだけ数字を挙げることができる。

ただし、どんなルールか当てるのは一度だけしか許されなかった。

ほとんどの学生は、続く数字を「8」と答え、教授 は「ルールと一致」と返事をした。

 

念のために、彼ら はさらに「10」「12」「14」と数字を挙げていった。

教授は、数字が挙げられるたぴに「ルールと一致」と答えた。

 

これに基づき、被験者のほとんどが単純な結 論を引き出した。

 

「ルールは、最後の数に2を加えた 数字です」。

 

ところが教授は首を横に振った。

 

「紙の 裏に書いてあるルールはそうではありません」。

 

たった1人、非常に知恵のある学生だけは違う方法 で課題に取り組んでいた。

彼はまず「4」で試してみ た。すると教授は答えた。「ルールと不一致」。

「そ れでは7は?」。「ルールと一致」。

それからこの学生は、 時間をかけてありとあらゆる数字を挙げていった。

「マイナス24」「9」「マイナス43」。

彼は、 ルールに当てはまらない数字をさんざん挙げた末に、

ようやく答えを導き出した。

 

「ルールは、次に来る数字は前の数字よりも大きくなければならない」。

 

教授 が紙をひっくり返すと、そこに書いてあったルール は、まさしくその学生が答えた通りだった。 その学生とほかの学生たちの違いは、いったい何 だったのだろう?

 

ほかの学生たちは「自分の推測の 正しさを証明するもの」を見つけようとしていたのに 対し、賢い学生は「自分の推測の誤りを証明するも の」を探していた点である。

 

しかも、意識的に「反対 の証拠」を探したのだ。

「確証のワナ」にかかると、無傷ではいられない。

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このワナがわたしたちの生活にどのような影響を与えているか......。

 

先に、代表的な落とし穴の1つである「確証のワナ」の存在を書いた。

ここではいくつか具体的な例を 挙げながら説明しよう。

 

わたしたちはみんな、世の中の流れや自分の将来、 今後の経済の状況、投資先の発展、仕事の成功など、 あらゆることを推測しなければならない環境に置かれ ている。

 

予想せずに生活することはできない。だが、 その予想があいまいであればあるほど、「確証のワナ」の影響を強く受ける。

 

・「人間はもっとも優れた生物だ」と考えている人は、その考えが正しいことを示す証拠を見つけようとする。

 

・「人間はもっとも劣った 生物だ」と考えている人も同じように、その証拠を見つけようとする。

 

優越感に浸っている人も劣等感を抱いている人も、「反対の証拠」をフイルターにかけて取り除き、自分の考えが正しいことを証明する情報ばかりを手に入れようとする。

 

🔮

占い

占い師も経済専門家も、同じ原則にしたがって行動 している。往々にして、彼らの発言は非常にあいまいである。あいまいにすることで、予測がよく当たると思わせようとする。

 

「数週間以内に悲しい体験をする でしょう」「中期的にドル安圧カが高まる」といった ような、実際には何を意味しているのかわからないような表現を使うのだ。

 

中期とはいったいどれくらいの期間を意味するの か?圧力とはどういう意味なのか?ドルが安くなるとは、何に対する価値が下がるという意味なの か?

 

金(ゴールド)、円、ペソなのか?それとも 小麦の価格?ベルリンのクロイツベルク地区の不動 産の価値?それともソーセージの値段だろうか?

 

信仰心や哲学といった信念の世界もまた、あいまいであるために「確証のワナ」が生じやすい。

 

信者たち は、何かが起こるたびに神の存在を確認しようとす る。

 

しかし、神は直接人間の前に姿を現すことはない。

 

あることが起こり、神のカとは関係がないという反対の証拠があったとしても、神の力が働いた、神は いる、と信者は確信している。

 

これは「確証のワナ」が強く作用している証拠である。

 

 

📈

経済予測

さらに、経済ジャーナリストほど「確証のワナ」に 悩まされている職業もないだろう。

 

彼らはしばしばあ いまいな仮説を立てて、2、3の「証拠」を書き足して記事を完成させる。

たとえば、「グーグルがこれほどまでに成功したのは、同社が創造性を育てているからだ」という記事が あったとする。

つまり、この記事を書いた記者は同じように創造性があり成功している会社(裏づけとなる証拠)を2、3社選びだす。

 

だが、反対の証拠を掘りおこす努カはしない。

 

つまり、創造性を育てていても 成功していない会社、または成功はしているが創造性 のない会社を探すことはない。

 

実際には、そういう企 業はたくさん存在しているはずである。

それなのに、 見えないふりをする。そういった企業について触れれば、記事が台なしになってしまうからである。

 

わたしなら、そういう企業についての記事は大歓迎だ。

役に立たない中途半端な調査の山の中から、宝石を掘り出 したような気分になるだろう。

 

 

💰

こうすれば成功する

成功のためのハウツー本や自己啓発本も同じ原則に 基づいて書かれている。

 

たとえば「眼想は大きな幸せ を手にするための鍵です」という文章があるとする。

もちろん、賢い著者はそれが正しいことを証明する多数の実例を用意している。

 

だが、反対の証拠、つまり、眼想をしなくても幸せな人や眼想をしているのに不幸せな人たちのことが書かれている部分を探しても見つからないのだ。

 

「確証のワナ」は、やっかいなことに、自分では気づ かない。

 

 

🔫

消音銃

誰だって自分の信じていることに銃弾を撃ちこまれたいとは思っていない。

だが実際には、自分の 信念の前に盾をつくり、弾をよけることなどできな い。

 

サイレンサーのついた銃で、不意に撃たれることもある。

 

その場合、弾は発射されているのに、銃声は聞こえていない。

 

 

いまや、インターネットを駆使すれば、自分と考え が同じ人と簡単につながることができる。自分の主張 が正しいことを証明してくれるブログを読むこともできる。

 

インターネットの世界では、探している情報が 真っ先に提供される。反対意見は自分のレーダースク リーンにまったく映らない。

 

わたしたちはこうして情報をフィルターにかけ、ますます偏った情報ばかり集めるようになり、自分と同じ考えをもつ人々の集団の中で行動するようになってきている。

 

こうした状況を打破するにはどうしたらいいのだろうか?

 

イギリスの文芸評論家、アーサー・キラークーチは、こう言っている。

 

「お気に入りを殺せ」🤯

 

つまり「自分の好きな言葉や考え方を手放せ」という意味だ。

 

響きは美しいが余計な言葉をだらだらと書き連ね、短くまとめるのに苦労している物書きにうってつけのメッセージである。

 

そしてクーチのこの言葉 は、下手な物書きだけでなく、すべての人に当てはまる。

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結論

 

「確証のワナ」と闘おう。

 

世の中に対する 考えをはじめ、結婚生活や健康やダイエットといった プライベートなこと、投資や出世のための手段など、 どんなことでもかまわない。

 

まず、

・自分の考えを書き出そう。

 

・「反対の証拠」を探してみよう。

 

お気に入りの考えを消し去るのはつらい作業だ。

 

しかし、教養のあるあなたなら、それを避けては通れない。

                         以上

 

*わたしは「確証のワナ」に一杯嵌まるブロガーです。(...痛)😌

 

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ワナにはまったあなたに🎼

Billy Joel - Just the Way You Are

youtu.be

 

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なぜ、間違えたのか?

 

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