📚 おしゃべりは賢い人? 12.6

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講演旅行

1918年、マックス・プランクはノーべル 物理学賞を受賞すると、ドイツ全国各地を行脚した。

招待を受けたところでは、新しい量子力学について、いつも同じことを話していた。

いっしょに行動していたプランクのお抱え運転手は、いつの間にか講演の内容をそらで言える ようになっていた。

👤「プランク博士、いつも同じ内容の講演をなさ るのは退屈でしょう。提案があります。

ミュン ヘンでの講演はわたくしが引き受けますから、 博士はわたくしの帽子をかぶって最前列に座っ ていてください。そうすれば、お互いに気分転 換になりますよ」

プランクはおもしろがって承知した。こうして運転手はそうそうたる聴衆を前に、量子力学 についての長い講演を行った。

しばらくすると、1入の物理学教授が手を挙げて質間をし た。

すると運転手はこう答えたそうだ。

「ミュンヘンのような進歩的な街で、こんな簡単な質 間を受けるとは考えてもみませんでした。わたしの運転手に答えてもらいましょう。

 

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知ったかぶり

わたしは、このプランクの話を、世界でもっとも有名な投資家の1人であるチャーリー・マ ンガーに教えてもらったのだが、

チャーリーに よれば、知識には2種類あるという。

1つは

・「本物の知識」

時間をかけて頭脳労働をした人たちから生まれたものである。

 

もう1つは、

・先ほどの物語に登場した「お抱え運転手の知 識」だ。

 

チャーリーが言う「お抱え運転手」と は、知ったかぶりをする人のことだ。

 

自分を実際以上に誇示する人である。

 

その人は、魅力的な声の持ち主かもしれないし、説得力があるよ うに見えるかもしれない。

しかし、そういう人 がまき散らす知識には中身がない。

 

雄弁ではあるが、空虚な言葉ばかり使う。

 

「本物の知識」と「お抱え運転手の知識」を区別するのは、難しくなってきている。

 

区別

ニュース のアナウンサーの場合はまだいいほうだ。

 

彼らが役者と同じであることは誰もが知っている。

 

それなのに、アナウンサーという型にはまった言葉を

話す名人にどれほどの敬意が払われてい ることか。

 

彼ら自身ではまったく太刀打ちできないテーマのパネルディスカッションや

演壇で司会を務めるためだけに、多額の報酬で雇われる。

 

偽物ジャーナリスト

アナウンサーはわかりやすい例だが、

ジャー ナリストの場合には「本物」と「ニセモノ」を 区別するのはとても難しい。

 

少数だが、まとも な知識を身につけているジャーナリストもいる。

何年にもわたり、同じテーマを専門に追ってきたもはや若くはないジャーナリストたちだ。

彼らは、自分が追いかけてきたテーマについて総合的に理解し、それを正確に報道することに真剣にとり組んでいる。

 

彼らは、例外を含 めた多数の事例をとりあげ、長い記事を書く傾向がある。

 

だが、残念なことに、大多数のジャーナリス トは「お抱え運転手」の部類に属している。

 

手品

手品で帽子からハトを取り出すように、どんな テーマでも、次から次へと短時間で記事に仕上げてしまう。

さらにひどい場合には、インター ネットから情報を収集しただけで、記事にしてしまう。

そういう記事は、内容が偏っているだ けでなく、「お抱え運転手の知識」しかないことをごまかすために、短くて皮肉っぽい。

 

CEO

企業の規模が大きくなれぱなるほど、CEO のエンターテイナーとしての資質、いわゆるコミュニケーション能カの高さが期待される。

 

無口でかたくなだが信頼のおける労働者タイプで は駄目なのだ。

少なくともトップにはふさわしくない。

 

株主や経済ジャーナリストは、パフォーマンスが上手なCEOのほうが大きな成果をもたらすと信じている。

もちろん、それは思い込みにすぎない。

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輪の内と外とは

チャーリー・マンガーのビジネスパートナー、

ウォーレン・バフエットは、「能カの 輪」という的確な言葉を用いている。

 

輪の内側にあるものについては専門家のように理解しているが、

輪の外にあるものについては理解できない、

あるいは部分的にしかわからない、とい うことを例えたバフエットの名言である。

 

さらにバフエットはこう説明している。

「自分の能カの輪がわかっているなら、そこにとどまっていればいい。

その輪がどれくらいの大き さかはそれほど重要ではない。

しかし、その輪がどこで終わっているかを正確に知ることは非 常に大切である」

 

チャーリー・マンガーも同じようなことを言っている。

「あなたは自分の才能がどこにあ るのかを見つけ出さなければならない。

自分の能カを超えたところで成功しようとすると、

みじめな人生を送る羽目になるだろう。それはほぼ間違いない」

 

結論

「お抱え運転手の知識」を信用して はならない。

 

会社のスポークスマン、ニュース のアナウンサー、話術のうまい人……。

 

派手な パフォーマンスや中身のない言葉で人の気を惹いたり、

型にはまったことしか発言しない人を、

本物の知識をもつ人と混同しないようにしよう。

 

見極める

どうやって見極めたらいいのだろうか?


はっきりとしたサインがある。

 

本物の知識を持ち合わせている人は、自分が知っていることと
知らないことをよくわかっている 。


この種の人は、自分が「能カの輪」の外側にいるときには、

何も発言しない、

もしくは 「わからない 」と正直に、場合によっては堂々と言う。


だが「お抱え運転手の知識」 しか持ち合わせていない人の口からは

この言葉は絶対に出てこないのだ。
 
政治家の口から出るのは、官僚作成の決まり文句・台詞と「遺憾」だけです。

 

テレビやラジオで

国民に話しかけることが少ないのは「お抱え運転手の知識」しかないから?

 

これでは聞きたくもないし、未来を託せませんね。😠


 

📖 ↓

なぜ、間違えたのか?

 

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