📖 平均ではダメですか?

f:id:yoimonotachi:20200305184637j:plain

 

👨 ある男性の話だ。

 

ひどく背中が痛む日もあれば、痛みが和らぐ日もある。

 

子ジカのようにピョンピョン飛びまわれる日もあれば、ほとんど動けない日もある。

 

妻が彼をカイロプラクティックの治療所へ連れていった。

 

施術を受けた次の日は、必ず具合がよくなった。彼は、治療士の腕がいいと周囲の人々に言っていた。

 

もっと若い男性のケース。

 

彼のゴルフの腕前はなかなかのもので、平均スコアは80だ。

 

彼はいつも自分のコーチを褒めたたえていた。

 

スコアがふるわなかったときには、すぐにそのコーチのレッスンを1時間受けた。

 

そして、次のプレーでは再び調子が上がっていた。

 

 

f:id:yoimonotachi:20200305190810j:plain

 

3番目に登場する男性は、名の知れた銀行の投資コンサルタントだ。

 

彼は雨乞い踊りのようなものを考え出し、証券取引の成果がひどく落ちこんだときには、いつもトイレでそのダンスを踊っていた。

        🕺

踊りながら、ばかげていると感じながらも、このダンスには効果があると信じていた。

 

実際にこのダンスを踊ると、取引の成果がはっきりと上がった。

 

この3人の男性を結び つけるものは、

平均への回帰と呼ばれる落とし穴だ。

 

統計学的に見て、一方向に偏って動いたものは、すぐに偏りが解消されるように反対方向に動くことが多い。

 

🏘

あなたが住んでいる街で、今、観測史上最低気温を記録したとする。

 

おそらく、数日以内に気温は上昇するだろう。

 

それも、だいたい月の平均気温まで戻っていく。

 

猛暑、干ばつ、豪雨が続く場合も同じだ。

天候は、平均値のあたりを上下に揺れ動く。

 

慢性的な痛みやゴルフのハンディキャップ、株取引、恋愛運、幸せの感じ方、職業上の成功や試験の成績なども同じく、

 

📊 平均を中心に上下する。

 

前述のエピソードについて言えば、

 

・とてつもない背中の痛みは、おそらくカイロプラクティックで治療しなくても消えていただろう。

 

・ゴルフも、追加レッスンを受けなくても平均的なスコア80前後に落ちついたはずだ。

 

・投資コンサルタントも、雨乞い踊りを踊らなくても平均的な業績をあげられるようになるだろう。

 

過去3年間でもっとも値を上げた株が、その後の3年間ももっとも値を上げる株であり続けることはめったにない。

 

⛹️‍♂️

多くのスポーツ選手が、自分の記事が新聞の一面を飾るときに不安を感じている。

 

次の試合では最高の成績はとれないだろうと、無意識のうちに予感しているからだ。

 

もちろん、次回も新聞の一面を飾れるかどうかを心配しているのではない。

 

成績が平均的な状態に戻ること への不安である。

 

結論

「病気だったが医者に行ったら元気になった。医者のおかげだ」とか

「会社が不調な年にコンサルタントを雇ったおかげで、

現在は正常に動いている」というような発言をする人がいたら、

 

その人は「平均への回帰のワナ」にハマっているだけかもしれない。😐

 

スポンサーリンク

TOPに戻る↑