📖 集団の怖さ? 

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👨孤剣は折れず

 

あなたはミーティングの席で、遠慮して自分の意見を言えなかったことがないだろうか?

きっとあるはずだ。(私も含めて)

 

何も言わず、相手の提案にうなず く。結局のところ、あなたは反論して煙たがられたくないのだ。

 

それに、 他人と異なる自分の意見に自信がないのかもしれない。

 

口をそろえて賛成 している連中だって馬鹿ではない、だから自分の意見は正しくなさそう だ、と口をつぐむ。

 

だが、そこにいる全員がそんなふうに行動したとすれば、それこそ「集団思考のワナ」にハマっている。

 

賢い人間の集まりだったはずなのに、愚かしい決定を下してしまう。

 

それぞれが、誤った推測に合わせようとし て、自分の意見を述べないまま賛成してしまうかりだ。

 

その結果、ひとり ひとりが普通の状況で判断していたら

そうはならなかった愚かしい決定 が、集団で話し合ったために下されてしまう。

 

まさに「集団思考のワナ」 である。

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1960年3月、アメリカの諜報機関は、

反共産主義のキューバからの 亡命者を組織化し、カストロ政権転覆計画を開始した。

 

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1961年1月、 ケネディ大統領は就任2日目にして、秘密裏に進められていたキューバ侵攻計画について諜報機関から知らされた。

 

1961年4月上旬、ホワイトハウスで重大な会議が開かれた。その席 で、ケネディと側近全員がこの侵攻計画に同意した。

 

その結果、1961 年4月17日、

1400名のキューバ人亡命者からなる反革命部隊が、アメ リカ海軍と空軍、そしてCIAの支援のもと、キューバ南海岸・ピッグス 湾に上陸した。

 

目的はフィデル・カストロ政権転覆だ。

 

 ところが、1つとして計画通りにはいかなかった。

 

・上陸当日、物資補給 船は1隻も海岸に到達しなかった。

先頭の2隻はキューバ軍に撃沈され、 続く2隻は逃げ帰ってしまったからだ。

 

・2日目、反革命軍はすでにキュー バ軍に完全に包囲されていた。

 

・そして3日目、生き残った1200名の戦 士が捕虜となり、収容所に送られた。

 

ケネディのピッグス湾事件はアメリカ外交史上、もっとも大きな失敗の 1 つとされている。

 

驚くべきは、侵攻が失敗に終わったことではなく、こ のような不条理な計画が実行されてしまったことである。

 

侵攻による肯定 的な見通しがことごとく間違っていたのだ。

 

たとえば、アメリカはキューバ空軍の力を完全に過小評価していた。

 

また、反革命部隊は、万がーの場合にはエスカンブライ山脈に隠れ、そこを 拠点に反政府運動を展開できると踏んでいた。

 

キューバの地図を少しでも 見ればわかりそうなものだが、

ピッグス湾から逃亡予定先のエスカンプラ イ山脈までは150キロも離れており、

そこに到達するまでに、容易には 渡れそうにない湿地帯が広がっている。

 

ケネディや側近たちは、これまで に合衆国政府をまとめてきたもっとも賢い人たちだというのに、全員一致 で侵攻に賛成してしまった。

 

1961年1月から4月の間に、いったい何 が起こったのだろうか?

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アメリカの心理学教授、アーヴィング・ジャニスは、

数多くの大失敗 (フィアスコ)について研究している。

*fiasco 【名】 〔人がしでかすひどい〕しくじり、失態、失敗

 

大失敗の事例に共通するのは次の点である。

 

結束の固いグループのメンバーが、

 

「幻想をつくり上げること」で連帯意識が強まる。

 

しかも無意識のうちにそうなるのである。

 

・幻想の1つは、自分たちを不死身であると思い込むことだ。

 

「我々の指 導者(ここではケネディ)とグループのメンバー(側近)が、この計画は うまくいくと確信しているのだから、この決断は正しい」という考え方だ。

 

・次に抱くのが、満場一致の幻想である。

 

「みんなが賛成している以 上、自分の意見だけが間違っているのだろう」と考えたり、


本当は異論が あるのにそれを表に出さなかったりしたことで、全員賛成と見なされてし まうという錯覚である。

 

・さらに、自分だけが結東を乱す壊し屋にはなりた くないという思いにもとらわれる。

 

結局、自分の意見に忠実になるより、 そのグループの一員でいたいという思いが勝るのである。

 

反対すれば、グ ループから迫放されてしまうかもしれないのだから。

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「集団思考のワナ」は経済の世界でも見られる。

 

典型的な例は、2001 年のスイス航空の経営破綻だ。

 

CEOを取り巻くコンサルタントグループ が、過去の成功に足元をすくわれ、

 

ハイリスクな拡大戦略に対する反対意見をまったく出せなかったのだ。

 

結論ー

結束の固いグループの中で意見が一致しているときには、必ず自分の意見を言おう。

 

たとえ歓迎されない内容であったとしても。

 

話し合 われないテーマの裏に隠されていることを探ってみよう。

 

いざとなったら、ぬるま湯のような仲良しグループから追放されることも覚悟しよう。

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あなたがグループをまとめる立場にいるならば、

 

"悪魔の代弁者(異論を唱える人)"を決めておこう。

 

その人は、仲間の中で人気者にこそならな いだろうが、

もっとも重要な人物にはなるかもしれない。

 

権力者は、側近に苦言を呈する人は置きたくありませんが。🤨

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歴史上で思い浮かんだのが山岡鉄舟です。

 

山岡 鉄舟は、

末から明治時代の幕臣、政治家、思想家。

剣・禅・書の達人。

 

維新実現の実質の主役のひとり。

 

死を覚悟の上、勝海舟の名代として単独で、江戸城攻撃を阻止すべく

西郷隆盛と直談判を実行しました。

 

しかも後、海舟を越えて幕臣であったにもかかわらず

新政府の明治天皇の侍従にまでなった稀有の人物です。

 

彼の葬儀を天皇は高殿から見送ったと言われています。

 

その人間性は、

 

西郷隆盛をして

 

「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、

そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない」

 

と賞賛させた人物です。

 

コロナウイルス危機の今ではなくても、

今上天皇にここまでさせる首相・閣僚・議員・官僚がいるでしょうか?

 

 

🎦 後のキューバ危機、そしてケネディの苦悩を描いた映画:

軍部が攻撃賛成の意見でした。

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