487.小説を英語で読む 半七捕物帳「勘平の死」

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小説のはじめは...... ↓

勘平の死

 歴史小説の老大家T先生を赤坂のお宅に訪問して、江戸のむかしのお話をいろいろ伺ったので、わたしは又かの半七老人にも逢いたくなった。

T先生のお宅を出たのは午後三時頃で、赤坂の大通りでは仕事師が家々のまえに門松を立てていた。

砂糖屋の店さきには七、八人の男や女が、狭そうに押し合っていた。

年末大売出しの紙ビラや立看板や、紅い提灯やむらさきの旗や、濁った楽隊の音や、甲走った蓄音機のひびきや、それらの色彩と音楽とが一つに溶け合って、師走の都の巷にあわただしい気分を作っていた。もう数え日だ
 こう思うと、わたしのような閑人が方々のお邪魔をして歩いているのは、あまり心ない仕業であることを考えなければならなかった。

私も、もうまっすぐに自分の家へ帰ろうと思い直した。

 

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