493.小説を英語で読む 半七捕物帳「お化け師匠」

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小説のはじめは...... ↓

お化け師匠

 二月以来、わたしは自分の仕事が忙がしいので、半七老人の家へ小半年も無沙汰をしてしまった。なんだか気になるので、五月の末に無沙汰の詫びながら手紙を出すと、すぐその返事が来て、来月は氷川様のお祭りで強飯(こわめし)でも炊くから遊びに来てくれとのことであった。わたしも急に老人に逢いたくなって、そのお祭りの日に赤坂に出て行くと、途中から霧のような雨が降って来た。

あいにく少し降って来ました

梅雨前ですからね

 と、半七老人は欝陶しそうに空を見あげた。今年は本祭りだというのに、困ったもんです。だがまあ、大したことはありますまいよ

  約束の通りに強飯(こわめし)やお煮染めの御馳走が出た。酒も出た。わたしは遠慮なしに飲んで食って、踊りの家台の噂などをしていたが、雨はだんだん強くなるばかりで、家のばあやがあわてて軒提灯や飾り花を引っ込めるようになって来た。町内の家台囃子の音も沈んできこえた。

こりゃあいけない、とうとう本降りになって来た。これじゃあ踊り家台を見にも出られまい。まあ今夜はゆっくりお話しなさい。何かまた昔話でもしようじゃあありませんかと、老人は食い荒しの皿小鉢をばあやに片付けさせながら云った。

 踊り家台の見物よりも、強飯(こわめし)の御馳走よりも、わたしに取ってはそれが何よりも嬉しいので、すぐにその尾について又いつもの話をしてくれと甘えるようにせがむと、

また手柄話ですかと老人はにやにや笑っていたが、とうとう私に口説き落されて、やがてこんなことを云い出した。

 

🎦youtubeの対訳動画はこちらです。↓

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📖対訳テキストはこちらです。↓ *和文→英訳 有料

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 学習ポイント😐

和文→英訳→音声はイメージしやすく読みやすく聴きやすいです。

和文だけでも味わい深い内容を楽しめます。😎

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