💀悪魔との対話2

👤 その証拠は?

💀 証拠なら山のようにある。

👤その内容は?  

💀内容はいろいろだ。答えが聞きたいなら、私のことを「陛下」と呼ぶのだ。私が答えるものの中には、おまえに理解できるものもあれば、できないものもある。おまえが私と同じ視点に立てるよう、まずは私のことを説明しよう。そして、私や私の住むところについておまえたちが持っている間違った考えを正してやろう。

👤陛下、それはよい考えだ。では、まず住んでいる場所から。その次は、あなたがどういう姿かたちをしているのか説明してもらいたい。

💀姿かたち? まったく、人間はこれだから困る。私には姿かたちなどない。おまえたちのように邪魔物を身にまとっていては闘いに不利だ。私は否定的なエネルギーからできていて、私を恐れる者の意識の中に住んでいる。また私は、物質を構成するすべての原子の半分と、あらゆる精神的・物理的エネルギーの半分を支配している。すべての原子は二つのグループに分けられるが、その否定的な方が私だと言えば、少しは理解しやすくなるのではないか。  

👤なるほど、あなたの言わんとするところがよくわかりました。つまりは、こういうことですね。もしあなたという存在がなければ、世界も、星も、電子も、原子も、人間も、何もかもが存在しない。そういうことですか?  

💀そうだ、まさしくその通りだ!  

👤しかし、あなたが支配しているのが物質とエネルギーのうち半分だけだとしたら、あとの半分は誰が支配しているのでしょう?  

💀あとの半分は私の対抗勢力が支配している。  

👤対抗勢力? それは何のことですか?  

💀対抗勢力とは、おまえたち人間が神と呼んでいるものだ。  

👤つまり、あなたと神で宇宙を二分しているということですか? それがあなたの主張でしょうか?  

💀これは主張などではない。それは事実なのだ。この対話が終わる頃には、おまえも私の言っていることがなぜ正しいのか理解するだろう。また、それが正しくなければならない理由も理解するだろう。もしそうでなければ、世界はいまのような世界でなく、おまえのような人間も存在してはいなかったはずだ。決して私は二枚に割れた舌と尖った尾を持った化け物などではないのだ。  

👤でも、あなたは百人のうち九十八人までの意識を支配していると、自分でそう言いましたよね。もしそうならば、九十八パーセントまでを悪魔が支配するこの世界において、不幸を引き起こしているのがあなたでないとしたら、いったいそれは誰なのですか?  

💀世界の不幸を引き起こしているのは私ではないなどと一度も言ったことはない。むしろ、その逆だ。私はそのことを誇りに思っている。あらゆる物事の否定的な面を代表するのが私の仕事なのだ。おまえたち人間の思考も含めて。そうでなくして、どうやって人間を操ることができるだろうか。肯定的な思考は対抗勢力がコントロールし、否定的な思考は私がコントロールしているのだ  

👤人間の意識はどうやってコントロールするのですか?  

💀それは簡単なことだ。人間の脳の使われていない部分へ侵入し、そこを占拠するだけだ。人間の意識に否定的な思考の種をまいておけば、いずれその空間を占拠しコントロールすることができるようになるのだ!  

👤人間の意識をとらえて支配するためのトリックや道具を、あなたはさぞかしたくさん持っているのでしょうね。  

💀確かに、人間の意識をコントロールするために、私はたくさんのトリックや道具を用いている。しかも、私が用いる道具は非常に優秀だ。  

👤どうぞ、その優秀な道具について説明してください。  

💀人間の意識をコントロールするのに最も適した道具は恐怖だ。人間の意識に恐怖の種を植え付けると、やがてその種が芽を出し成長する。そうやって、恐怖が占拠した空間を私がコントロールするのだ。恐怖の中でもとりわけ次の六つが最も効果が高い。貧困、非難、病気、失恋、老い、そして死への恐怖。

 

Keyword 

〝人間の意識をコントロールするのに最も優れた道具は恐怖だ。……貧困、非難、病気、失恋、老い、そして死への恐怖〟 



本の詳細・購入はこちらからどうぞ

👇

スポンサーリンク

TOPに戻る↑