📚 あなたの人生を振り返ると良いことばかりでしたか? 10.28

オーダーメイド

👔「身体の各サイズを測ってから服を縫い合わせてげいてくように

人間は自分に合うように物語をつくり上 げていく」

とは、 スイスの作家マックス・フリッシュの 言葉だ 。

 

人生は混沌としている。


からまった毛糸のかたまりよりもやっかいだ。

 

想像してほしい。

 

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透明の火星人がいる。

 

同じく透明のメモ帳を片手に、あなたのそばにやってきて、あなたがしていること、考えていること、夢見ていることをすべてメモしている。

 

あなたの 生活の観察記録はこんな感じだ。

「コーヒーを飲む、 角砂糖を2個」

「画びょうを踏む、世の中を呪う」

「隣人の女性とキスするところを夢想する」

「旅行を 予約、モルジブ、ひどく高い」

「耳の中の毛、すぐに引っこぬく」....

といった具合にどんどん記録されていく。

 

わたしたちは、このようなごちゃごちゃと描写され たひとつひとつの出来事を撚り合わせて人生の物語にしている。

 

そして、自分の人生をなんとか1本の線で つなげようとする。

 

・多くの人は、この線のことを「意味」と呼ぶ。

 

・物語が何年にもわたって続くと、

今度は それを「アイデンティティ」と呼ぶようになる。

 

・自分のことだけでなく歴史に対しても、

矛盾のない ようにつなぎ合わせて物語をつくっていく。

 

すると、 どうなるのか?わたしたちは歴史を1つのつながり として「理解する」ようになるのだ。

 

歴史

こうした原因や理由は、

ストーリーをつくることで、理解できるようになる。

 

歴史は不確かな事実だ。

それでもわたしたちは物語をつくらずにはいられない。

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わたしたちが「理解した」ことは、もちろん、その ことが起こった当時は誰も理解していなかった。

 

誰にもまったく理解できなかった。

 

なぜなら、「意味」は あとからでっちあげられるからだ。

 

なぜかはわからない。

 

はっきりしているのは、

人間は、ものごとを科学的に考えるようになる以前から、世の中について物語で説明しようとしていた、という点だ。

 

ストーリー

神話学の歴史 は哲学よりも古い。

そしてこうしてつくられた物語は 「ストーリーのワナ」の影響を受ける。

 

「ストーリーのワナ」とは、

物語が、わかりやすくするために真実を単純化してしまう傾向を指す。

 

それにより、物語にうまく収まらないことはすべて排除されてしまう。

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メディアの世界では、「ストーリーのワナ」が伝染病のように猛威をふるっている。

 

たとえぱ、1台の車が橋を渡っていると、突然、ミシミシと音がして橋が崩れ落ちたとする。

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翌朝の新聞には、何が書いてある だるうか?

 

わたしたちは、車を運転していた運の悪 い人の話を読まされるだろう。

 

その人はどこからやって来て、どこへ向かっていたのか。

わたしたちはその 人の一生を知ることになる。

 

どこそこで生まれ、どこ そこで育ち、職業はこれこれしかじかといった具合に すべてが記されている。

 

その人が九死に一生を得てインタビューに答えられれぱ、橋が崩壊したときにどん な気分だったかなどを詳しく質間される。

 

なんと、ばかげているのだろう。

 

というのも、それ らの話にはどれも意味がないからだ。

 

物事の本質

重要なのは、運が悪かった人のことではなく、橋の構造だ。

 

・つまり、 橋のどこに弱点があったのか?

・資材の老朽化が問題 だったのか?

・そうだとすれぱどの部分が老朽化していたのか?

・そうでなかったとすれば、橋がすでに破 損していたのか?

・あるいは、建設方法に問題があった のか?

 

だが、本来の意味をもつこうした問いかけをしたところで、すべてを1つの物語にまとめられるわけではない。

 

わたしたちは、物語には惹きつけられるのに、

 

ものごとの本質をとらえるような事実からは目を背ける。

 

だが、それが災いにつながってしまうことも多い。

 

真に重要なことが、さほど重要でないことのせいで、

その価値を引き下げられてしまうからである。

 

だが、これは同時に幸運なことでもある。

 

人々が本質的な事実だけにしか目を向けなかったら、世の中には実用書だ けで小説は存在しなくなってしまうからだ。

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ニュース性

次の話のうち、あなたはどちらのほうを簡単に覚え られるだるうか?

 

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①国王が死去し、それから王妃も 亡くなった。

 

②国王が死去し、王妃も、悲しみに暮れ てこの世を去った。

 

一般的には、後者の話のほうが容易に覚えられるだろう。

 

➁の場合は、2つの死が単に続いたのではな く、感情で結びつけられているからだ。

 

①は事実の記録だが、②には意味がある。

 

①の話のほうが短いの で、簡単に記憶できそうなものだが、

わたしたちの脳はそうは理解しないのだ。

 

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TVCM

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📺だからストーリー性のあるテレビコマーシャルは、

商品の利点を合理的に並べただけのコマーシャルよりも効果がある。

 

冷静に観察してみると、テレビコマー シャルの場合、物語はあくまで付属的なものにすぎず、ちっとも重要ではない。

 

しかし、わたしたちの脳 はそんなふうには考えない。物語を必要としているのだ。

 

結論

自分の人生の記録から世界的な大事件にいたるまで、

すべては 「意味のある」物語に仕立てあげられているのだ。


その結果、真実は歪められる。

そのことがわたしたちの判断力や決断力を鈍らせてしまう 。

 

対策としては

物語をばらばらに解体してみることだ。

 

物語に隠されているものは何か、 自分に問いかけてみよう。

 

 

トレーニング

見極めるためのトレーニングとして

自分の記録をひとつひとつ個別に観察するといい。

 

自分がいかに別々の話を結びつけてて物語をつくろうとしているかに驚くだろう。

 

感情に流されてしまうと本質を見失います。が、これも人間の本性でしょうか?

 

台風、大雨、河川氾濫、これらの被害の本質は何でしょうか?

 

気象予報士ではなく災害予報士や危険予報士が必要でしょうね。.....お見舞い。😌

 

🎶 人生は幸せを求めて、月の川を渡るようなもの?

   

 

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なぜ、間違えたのか?

 

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