📚 寿司は痛い?  8.9

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定額料金を設定する

 

🍣 私はすしが大好きだ。

 

............たいていのすし店では小さなすし1個ごとに

個別の値段をつけており、このやり方にはひどく反発を覚える?


ひと口食べるたびに値札がくっついてくるような気がするのだ。


「うん なかなかいける。

でも、これひと口で300円の価値があっただろうか?

はたして、もう1個食べたものだろうか?」といった具合に。

 

すし店の典型的価格システムに対する嫌悪に限って言えば、

私の脳は正常であることがわかる。

 

前の章で、私はカーネギー· メロン大学で

経済学と心理学の教授を務める

ジョージ·ローウェンスタインを紹介した。

 

教授の研究で解明されたもう1つの事実は、

1回1回の消費で値段が上がっていく様子を

消費者が目にする販売方法が

最大の痛みを引き起こすということだ。

 

もちろんこれは肉体的苦痛ではなく、

正確には、肉体的苦痛に関連する脳の領域が活性化する。

 

オンラインジャーナル『SmartMoney (スマートマネー)』との

インタビューで、ローウェンスタインは次のように述べている。


「消費者は現在の満足を取るか、将来の満足を取るかと、

じっくり比較検討したりはしない。

ある物にいくら支払わなければ

いけないのかと考えた途端,

消費者は激しい痛みを覚える 。」


AOL がインターネットサービスの料金制度を

時間単位から月単位へ切り替えた理由もそれで説明がつく。

 

切り替え措置が取られると、AOLの加入者は急増した。


なぜ人は前払い制や定額制で料金を支払いたいと思うのか?

 

繰り返すが、

それによって激しい痛みが和らぐからだ。

最悪の選択肢はすしの代金の支払いで、

この場合、客はすし1個ごとに代金を払っている。

 

あるいは、タクシーのメーターを見て、

道を進むごとに

料金がいくらになるか分かって

しまうのもよろしくない。


痛みを避けるために払う

マーケターたちは何年も前から

この点に気づいており、

商品購入に伴う顧客の痛みを

最小限にとどめるような

売り方で対策を取ってきた。

 

多くの飲食店で、

セットメニューやコースメニューが

人気となっている。

 

ネットフリックスは、

定額「見放題」の価格戦略で

ビデオレンタルの競合他社を圧倒している。

 

クルージングの人気が高まってきた理由の1つは、

一定料金でバケーションが楽しめるからだ。

 

これらのケースは皆、

比較的求めやすいパッケージ料金で提供され、

逐一の購買経験で生じるさらなる痛みを

顧客から取り除いている。

 

多くの場合、

パッケージ価格は

レストランのメニュー1品1品、

レンタルビデオ1本1本の

料金を払った場合よりも

実は高くつく。

 

にもかかわらず,


すべて込み」の料金は

多くの消費者の心に訴える可能性が高く、

 

ローリエインスタインが

購買の痛みに最も敏感なタイプと

分類する消費者にはとりわけその傾向が高い。

 

脳科学マーケティングの実践ポイント3


複数の痛点を避ける

顧客の痛みを

最小限にとどめるため、

 

マーケターは常に

購買過程に点在する痛点を

避ける努力をするべきだ。


もちろん、個別の購入が避けられないケースもある。

 

たとえば、食料品店は

商品1つひとつの価格設定をやめて

定額ベースのショッピングを

提供するというわけにはいかない。

 

だが購入ごとではなく、

 

月間もしくは年間料金として

価格を設定するなど、

通常は個別に購入されている

アイテムに定額料金を設定してみることが

可能なビジネスモデルはたくさんある。

 

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よりシンプルな価格設定は

売り上げを増やすだけではない。

 

 一部の消費者は痛みを回避するためなら

割高な料金を払うから、利幅も増えるのだ。

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